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LACOSTE

1986-1993

僕はいまでも当時のラコステを愛用しています。僕の30歳台の後半ですから35年近く経っています。あの時のラコステは、とても新しいことをしていました。日本の繊維業界は今でもそうですが、糸づくり、生地づくり、染め、縫製という工程を違う会社で分業して作っていますので、何のブランドに携わっているかを理解しないまま、ただ言われたことを着実にこなすことで製品ができてきます。

そんな中、ラコステは分業している会社の機械に金属の大きなワニのマークを貼り付け、ラコステ専用の機械として4つの別々の工程(会社)を一気通貫させ生産させることにしたのです。何か問題が起こればどのセクションで起きたのかを、いち早く知り対応できる、最高の環境をつくりました。

我々は、日本の関わっていたすべての工場を視察しました。フランスのランスにあった工場にも向かいました。本場では、一つの工場でラコステができてくる姿を自分の目で見ることができ、この仕事に対する自信と自覚が生まれました。この仕事の成功はまさに物作りの勝利でした。そして関わった全てのスタッフ同士がリスペクトしていたことでした。

僕がしなければならないことが見えて来たのは、パリからの飛行機の中でした。


僕が、このものづくりの最後のパーツを担当しよう。いわゆる、きちんとアイロンがけをして、きちんとたたみ、わずかの埃さえも写っていない本物のラコステを撮る事が僕の仕事だと考えました。8×10を使い、車が撮れるほど大きなスタジオで、本物のクオリティを撮ること!それは大変難しい挑戦でした。

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